転職したい保育士必見!異業種に挑戦することは難しい?おすすめの業種10選

保育士として働いてきたが、新しいキャリアに挑戦したいと思っている方は少なくはありません。しかし、異業種への転職は果たして難しいのでしょうか?この記事では、保育士の経験を活かせるおすすめの業種をご紹介します。

保育士が転職を考える理由

保育士は子どもと向き合う大切な仕事ですが、ストレスも少なくありません。保育士が転職を考える主な理由を5つご紹介します。

①職場の人間関係のトラブル

保育士の職場は、多様なスタッフとの協力が不可欠な環境です。日々の仕事で発生するコミュニケーションの問題は、プレッシャーとなることが少なくありません。例えば、意見の相違が生じることや、職場での役割分担に関するトラブル、スタッフ間の個人的な対立などが挙げられます。また、新しいメンバーの導入や経験の浅いスタッフの指導など、チームとしてのバランスを保つことが求められます。これらのストレスは、保育士にとって転職の理由となることが多いです。

②長労働時間

保育士は労働時間が長く、残業が発生しがちな職業です。朝早くから夕方遅くまで保育園にいるのが当たり前で、勤務時間外でも行事の準備などで職場に呼び出されることも。慢性的な長時間労働は心身の疲労を招きます。特に子どもたちの成長を近くで見守る保育士にとっては、やりがいを感じつつも肉体的・精神的な疲れは大きいものがあります。ワークライフバランスを重視する動きが高まる中、長時間労働を続けることに限界を感じる保育士も増えています。

③給料・待遇面の不満

保育士という仕事は、社会的にも非常に重要な役割を果たしているにもかかわらず、給料やその他の待遇面では不十分な場合が多いです。特に、生活費や家族の養育費などを考慮すると、給料の低さは大きな問題です。さらに、資格取得や研修などのキャリアアップに関連する支援が不十分な場合もあり、これらの条件は保育士にとって転職を検討する大きな理由になります。

④保護者との人間関係のトラブル

保育士は子どもの保護者との関わりも密接です。入園前の見学から卒園までの長期にわたって子どもを見守ることになり、保護者との信頼関係が大切になります。しかしながら、子育て観が異なる保護者と意見が衝突したり、園児からいじめ被害などが発生した場合は保護者対応に追われることも。繊細な配慮が求められるなか、保護者との信頼関係が損なわれるケースも少なくありません。こうした対人ストレスが蓄積すると保育士としてのモチベーションも下がりがちです。

⑤責任が大きい

保育士には、0歳から就学前の大切な成長段階にある子どもたちの安全を確保し、健やかな成長を支える使命があります。一人ひとりの子どもとしっかり向き合うことが求められ、見守る目を離すことができません。子どもがケガをしたり事故が発生するリスクが常につきまとい、責任の重さを感じる保育士も多いのです。また、子どもや保護者との人間関係トラブルへの対応にも追われがちです。こうした大きなストレスや責任に耐えられなくなり、他職種への転職を選ぶケースが起きているのが実情です。

保育士が異業種に転職するのは難しい?

保育士が他の業種に転職する場合、大きな壁として保育士資格の専門性があると言えます。保育現場で培った経験や知識が直接活かせる仕事は限られています。しかし、子どもとのコミュニケーション能力や状況判断力、観察力、柔軟性といった保育士の素養は汎用的なスキルでもあります。こうした「隠れた能力」をアピールすれば、教育関連や福祉・医療といった類似領域はもちろん、営業や事務、制作など異なる業種でも通用するはずです。ただしそのためには、転職先を見極める力と面接での自己PRが欠かせません。

転職したい保育士におすすめの業種

保育士が活路を見出しやすい転職先として、保育士の資格を活かした転職方法と保育士の経験を活かした転職方法があります。

保育士の資格を活かせる業種

まず、保育士の資格を活かせる業種を紹介します。これから紹介する業種は、保育所に近い形で乳幼児や小学生の預かり保育を行う点で共通しています。したがって、指導力を発揮できる保育士にとっては本職に近い環境といえます。

①放課後デイサービス

放課後デイサービスでは、学校から帰ってきた子どもたちに対して、遊びや学習支援、食事の提供などを行います。保育士としての経験は、子どもたちの日々の成長をサポートする上で非常に役立ちます。また、子どもたちの個々のニーズに応じたケアをすることで、彼らの社会性や自立心を育む手助けをします。

②児童館

児童館では、地域の子どもたちが安全に遊ぶためのスペースをつくっており、さまざまな教育活動や文化活動を行います。保育士としてのスキルを活用し、子どもたちの健全な成長を促すプログラムの企画や運営に関わることができます。また、地域コミュニティとの連携を図りながら、子どもたちにとって安全で楽しい学びの場をつくることができます。

③病院や企業内の保育所

病院や企業内保育所では、保育士としての専門知識が特に重要になります。病院では、入院中の子どもたちやその兄弟のケアを行い、企業内保育所では、従業員の子どもたちに対して質の高い保育を提供します。これらの環境では、保育士としての経験を活かし、特定のニーズに応じたケアをすることが求められます。

④幼児教室

幼児教室では、遊びや学習を通じて子どもたちの基本的なスキルや知識の発達を支援します。保育士としての経験は、子どもたちの学びに対する興味を引き出し、教育的なアプローチを通じて彼らの能力を育むのに役立ちます。また、保護者との連携を図りながら、子どもたち一人一人の成長に合わせた指導を行うことができます。

⑤助産施設・産婦人科

最近、不妊治療の普及などで助産師が不足する傾向にあります。こうしたなか、医療機関を転職先として選ぶ保育士も増えています。助産施設や産婦人科では、妊婦さんのケアにあたる看護助手として保育士が活躍できる場面が多くあります。例えば、赤ちゃんのお風呂入れ指導や母乳育児指導、沐浴実習の補助などが主な業務です。医療知識は初めは不足しますが、感性豊かな保育士なら患者ケアに向いているとされます。

保育士の経験を活かせるおすすめの業種

保育士が培った経験をうまくアピールすれば、保育現場とは異なる業種でも通用する場合があります。子どもと真摯に向き合ってきた保育士の人間力は他職種でも高く評価されます。加えて観察力や記録力、計画力といった具体的な職能も幅広い職域で役立つでしょう。

以下おすすめの業種を5つご紹介します。

①事務

保育士としての仕事は体力を要するもので、一日中子どもを抱っこしたり、重い荷物を運ぶことが多く、体力的な負担が大きいです。このような理由から、体力面の負担が少ないデスクワークの職種、特に事務職への転職を検討する方が多いです。

事務職は、文書の整理、データ入力、電話対応など、一人で黙々と作業を進めることが多い職種です。しかし、これらの業務も、保育士としての経験が活かせる要素が多く含まれています。たとえば、保護者対応や他の保育士との連携で培われたコミュニケーション能力は、事務職での電話対応や資料の共有など、チーム内のスムーズなコミュニケーションを促進するのに役立ちます。

②介護

「人の役に立ちたい」という動機から転職を考えているなら、介護職がぴったりです。介護職では、高齢者の日常生活のサポートを行います。この職種は、他人のお世話をするという点で保育業務と共通する側面が多くあります。

さらに、介護士としてのキャリアは、資格取得や経験の積み重ねによって給与が上がる機会があります。特に夜勤手当などの各種手当があるため、経済的な面での成長も期待できます。これは、保育士の職業と比較して、将来的な給与アップの可能性がある大きな違いです。

③接客

保育士としてのキャリアを離れたいけれど、人との関わりを大切にしたい方には、接客業がおすすめです。特に、アパレルやホテル業界は、顧客とのコミュニケーションが業務の中心をなす職種であり、人と接することが好きな方にとっては理想的な環境です。

アパレル業界では、顧客のニーズに合わせた服装の提案やファッションアドバイスを行い、顧客の満足度を高める重要な役割を担います。

一方、ホテル業界では、宿泊客の受付や客室の案内、顧客サービスなど、高いホスピタリティが求められます。

これらの職種は、保育士として培ったコミュニケーションスキルや対人スキルを活かすことができます。さらに、室内での業務が中心となるため、屋外での厳しい労働環境から解放され、快適な職場で働けるという利点もあります。

④IT関連

保育士の仕事を通じて培ったパソコンスキルは、IT関連の職種への転職に大いに役立ちます。保育日誌や指導案の作成などで経験したドキュメント作成や表計算ツールの使用スキルは、多くのIT業界で基本とされる能力です。これらのスキルは、データ入力、文書管理、データベースの管理など、様々なIT業務に直接応用できます。

また、IT業界では、プロジェクトによっては、一人で集中して作業する時間が多い職場もあります。そのため、保育士として人間関係のトラブルに疲れを感じている方にとっては、新しい働き方として適しているかもしれません。

⑤営業

保育士が営業職に転身するケースも少なくありません。営業職には社交性やコミュニケーション能力が求められますが、保育士は子どもや保護者との人間関係づくりを日常的に行っています。この経験が営業の場面でも活きることが期待できます。

例えば訪問営業の際、相手の表情や反応を敏感に察知して需要を掘り起こすことができるでしょう。提案営業でも保育現場を題材にした商品開発などが考えられます。保育関連企業や教材営業など専門性も活かせる仕事もあるでしょう。業種転換には労力が伴いますが、営業職で第二の人生を歩む保育士も増えています。

まとめ

保育士が転職を考える背景には、職場の人間関係や長時間労働などの大きなストレスがあります。保育のプロフェッショナルである反面、精神的負担は決して小さくありません。そうした現状を改善できない場合、他の職業を選択する保育士が増えているのです。転職に際しては、保育現場との関連性の強い職種を中心に模索することをおすすめします。子どもと向き合う経験をどうアピールするかが鍵となります。時間と労力はかかりますが、保育士の知識と豊かな人間性を求める企業は少なくありません。前向きな視点で第二の人生を歩み始めてみてはいかがでしょうか。