薬剤師の転職は難しい?転職事情とおすすめの転職エージェント3選をご紹介

薬剤師の転職事情や就職先、転職のメリットなどについて解説します。新型コロナの影響で薬剤師需要が高まる中、有利な転職を成功させるためのポイントを整理しました。転職サイトの特徴も交えて紹介します。

薬剤師の転職市場

薬剤師の需要は、医療業界の成長と共に安定していると言われています。しかし、薬剤師のポジションに対する競争が激しくなりつつあるのも事実です。そのため、薬剤師として転職を考える際は、市場の動向を理解することが重要です。

薬剤師免許者数は増加

薬剤師免許の取得者数の増加により、薬剤師の転職市場が厳しい状況に直面しています。この現象の主要な原因は、求人に対する応募者数が大幅に増加したことにあります。この結果、薬剤師としての転職が以前よりも難しくなっています。

この競争が激しい市場において、求職者が成功するためには、単に薬剤師の資格を持つだけでなく、現場での経験や特定のスキル、実績などを積極的にアピールすることが重要です。これにより、採用担当者に自分の能力と価値を効果的に示すことができます。

新型コロナに伴う調剤薬局来店数の減少

新型コロナウイルスの影響で、多くの調剤薬局では来店数が減少しました。これは、非接触型サービスの普及や、オンライン診療の導入など、医療の提供方法が変わったことに起因します。この変化に伴い、薬局の運営が困難になり、閉店に追い込まれる事態も発生しました。

収益減少に直面した薬局では、人件費削減のために薬剤師の採用を控える傾向が見られ、薬剤師の求職活動にも一定の影響が出ています。

調剤薬局のIT化に伴う雇用の減少

日本の調剤薬局では、効率化とコスト削減のためにIT技術の導入が進んでいます。2019年4月2日に厚生労働省が発表した「0402通知」は、この動きを加速させる重要な要因となりました。この通知により、薬剤師以外の非薬剤師にもピッキング業務が許可され、薬剤師の業務範囲が変化しました。

IT化の進展は、調剤業務の効率化をもたらす一方で、薬剤師の雇用に影響を及ぼしています。特に、人件費が低い非薬剤師の雇用が増加する傾向にあり、結果として薬剤師の需要が減少する可能性が指摘されています。これは、薬剤師の就職や転職市場において厳しい状況を生み出しています。

しかし、この問題は単純な雇用の減少だけに起因するものではありません。求人数の偏り、薬局の経営状況、キャリアパスの不明確さなど、多岐にわたる要因が絡み合っています。薬剤師個人にとっては、自身の状況やキャリアプランに応じて、適切な転職戦略を練ることが重要です。

薬剤師の主な転職先

薬剤師の転職先は大きく4つに分けられます。以下にて詳しく解説していきます。

ドラッグストア

ドラッグストアは、薬剤師にとっての魅力的な転職先です。主に顧客に対する直接的なアドバイスや健康相談を担当し、専門性を活かすことができます。さらに、OCT(Over The Counter)医薬品の販売にも関わり、販売の要素も強いです。接客業務が中心であるため、土日祝日の勤務があることもありますが、全国に店舗があり転職のハードルは比較的低いと言えるでしょう。

調剤薬局

調剤薬局では、病院の処方箋に基づいた薬の調剤や患者への服薬指導を行います。薬剤師の人手不足が嘆かれる職種で、正社員からパート、アルバイトまで多様な雇用形態が存在します。最近では、地域医療への参加が増え、かかりつけ薬剤師の需要も高まっています。業務内容は今後さらに複雑化することが予想されます。

病院

病院での薬剤師の役割は多岐にわたります。入院患者の薬剤管理から外来の処方箋調剤まで、幅広い業務があります。救命救急や医薬品情報管理、外来化学療法室勤務なども含まれ、医療現場の重要な一員として働きます。国公立病院では安定感がありますが、経験者採用が多く、転職難易度は比較的高いと言えます。

医薬品業界の企業

製薬会社や関連企業では、薬剤師がMR(Medical Representative)、DI(Drug Information)、治験コーディネーターなど様々な業務に携わります。経験者が優遇される傾向にあり、営業や事務職でも医療分野での経験や知識が重視されます。高収入や充実した福利厚生などのメリットがあり、採用枠が限られているため、人気の高い勤務先と言えます。

薬剤師の転職で注意すべきこと

薬剤師としての転職を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。今回は3つのポイントについて解説していきます。

働きやすさを確認する

転職先を選ぶ際には、職場環境や働きやすさを確認することが重要です。例えば、勤務時間、残業の有無、休日の数、人間関係などが自分の希望に合っているかを考えましょう。また、薬剤師としての専門性を生かせる職場かどうかも重要な判断基準です。

希望する条件に優先順位を付ける

転職活動では、給与、勤務地、仕事内容など、さまざまな条件が関わってきます。これらの中で何を最優先に考えるかを明確にしておくことが重要です。例えば、給与よりも働きやすさを優先する、あるいは専門性を活かせる環境を重視するなど、自分にとって最も大切なポイントを見極めましょう。

転職エージェントのサポートを受ける

薬剤師専門の転職エージェントを利用することは、効率的な転職活動につながります。エージェントは、市場の最新情報や非公開求人を提供し、履歴書や面接のアドバイスも行います。また、転職における悩みや疑問にも対応してくれるため、安心して転職活動を進めることができます。

薬剤師におすすめの転職エージェント3選

薬剤師専門の転職エージェントは、業界特有の知識とネットワークを持ち、転職をサポートしてくれます。以下おすすめの転職エージェントを3つご紹介するので、ぜひ自分に合うエージェントを見つけてみてください。

薬キャリエージェント

薬キャリエージェントは、株式会社エムスリーキャリアによって運営される薬剤師専門の転職支援サービスです。このエージェントは、医師や薬剤師などの医療専門職向けに、キャリアアップや職場環境の改善を目指した支援を行っています。さらに、エムスリーキャリアは医療業界全体の成長を促進する目的で、医療コンサルティングなどの新規事業も展開しています。

この薬キャリエージェントは、日本国内の主要都市である東京と大阪にオフィスを構えていますが、サービス範囲はこれらの都市に限定されず、全国各地の薬剤師に対応しています。

ファーマキャリア

ファーマキャリアは、求職者の具体的な要望に応じて、年収や勤務時間、退勤時間などを調整し、個々のニーズに合わせた「オーダーメイド求人」を提案するサービスです。例えば、ほぼ全ての条件が希望に沿っている求人に対して、勤務日の条件を「土日休み」に変更できるかどうかを、コンサルタントが企業に交渉してくれるようなサポートを行います。細かな条件の調整が可能なため、従来の求人サイトでは見つからなかった理想の職場を見つけたい人におすすめです。

マイナビ薬剤師

マイナビ薬剤師は、株式会社マイナビが運営する、薬剤師専門の転職サポートサービスです。全国的に広がる支店ネットワークを持ち、地方にお住まいの方でも簡単にアクセスできる利点があります。

このエージェントの最大の特徴は、利用者からの満足度が非常に高いことです。その理由として、サポートの手厚さが挙げられます。マイナビ薬剤師は、単に求人を紹介するだけでなく、キャリアの相談から面接対策、さらには内定後の条件交渉に至るまで、一貫したサポートを提供しています。このため、転職活動に不慣れな方や、内定後の条件交渉に不安を感じる方にとって、非常に頼りになるパートナーとなり得ます。

まとめ

この記事では、薬剤師の転職市場の現状、主な転職先、おすすめの転職エージェントについて詳しく見てきました。薬剤師の転職は、市場の変化や個々の希望に合わせて戦略を立てることが重要です

転職は一生に何度もある大きな決断です。自分に合った条件を見極め、最適な転職先を選ぶことで、薬剤師としてのキャリアをさらに充実させることができます。この記事が、皆さんの転職活動に役立つ情報となれば幸いです。